浜岡原発永久停止裁判 第22回口頭弁論

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浜岡原発永久停止裁判 第22回口頭弁論
2017年12月11日(月)
10:00 浜松市地域情報センターホールに原告や傍聴者が集まり始めた。
10:30 裁判所内の部屋で傍聴抽選。
10:40 原告30席分を含め、傍聴席は満席となる。参加者 60人。
11:00 裁判が開始。
裁判長は上田賀代、右陪審は荒井格、左陪審は安藤巨、
   訴訟代理弁護団計20名の弁護団のうち、今日の参加者は10名
田代博之、大橋昭夫、森下文雄、塩沢忠和、阿部浩基、佐野雅則、平野晶規、
北上紘生、栗田芙友香、青柳恵仁、
被告側は国と中電で17名。

11:00 裁判長;書面の確認。中電から準備書面(11)~(13)が提出。陳述がある。その他の書証の確認。

11:03 被告:準備書面(11)(12)の要点の説明(被告の準備書面より抜粋)。(11)では、原告が3,4号機のサプレッション・チェンバや燃料プールなどの地震時の危険性をあると主張するが、設計上の考慮や地震時の影響の確認を踏まえておらず、いずれも理由がない。これらについて具体的に述べて原告への反論をした。
(12)では、5号機についての原告の主張への反論をした。
(13)では、原告の基準地震動が過少なものとの主張に反論し、地震動とその評価に関する説明をし、これらに関する研究知見を示した。

11:06 裁判長;原告から準備書面(23)の陳述をする。証拠の確認。
   被告;原告の準備書面(23)が郵便で届いていない。
裁判長;間際にならぬよう、被告に届くように。

11:08 原告・栗田弁護士;(以下に、準備書面(23)を掲載する)
本書面では,被告中部電力の準備書面(10)のうち,「電源設備にかかる主張に対する反論」に対する主張を述べる。

1 外部電源系の耐震要求について
(1)外部電源系の耐震重要度がSクラスとされていないことによる具体的危険
ア 被告中部電力は,準備書面(10)で,「原告ら」が,「外部電源系の耐震重要度をSクラスに格上げしなければ原子力発電所の安全性が確保されないかのように主張する」と述べ,これに対し反論している。しかし,そもそも,福島第一原発事故の後,原子力安全委員会,原子力安全・保安院が,共に外部電源の重要性を確認し,信頼性向上を掲げていたのである。具体的には,以下のとおりである。
まず,原子力安全委員会の平成24年3月14日付「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針及び関連の指針類に反映させるべき事項について(とりまとめ)」においては,「5.1.2外部電源系」の項において,「東北地方太平洋沖地震では,原子力発電所内の外部電源系の構成要素である遮断器や地下ケーブルの損傷が生じ,外部電源喪失の原因の一部となった。外部電源系は,現行の重要度分類指針においては,異常発生防止系のクラス3(PS-3)に分類され,一般産業施設と同等以上の信頼性を確保し,かつ,維持することのみが求められており,今般の事故を踏まえれば,高い水準の信頼性の維持,向上に取り組むことが望まれる。」と,事故当時の重要度分類指針に欠陥があったことを認めていた 。
次に,原子力安全・保安院も,平成24年3月28日付「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の技術的知見について 」において,東通,女川,福島第一,福島第二,東海第二の外部電源22回線のうち,地震後に電力供給できたのは女川,福島第二の3回線に過ぎず,他の19回線は(工事中,作業中で停止していた2回線も含め)系統中の電気設備のどこかに地震による損傷が生じ電力供給が停止したことを踏まえ「福島第一原発では外部電源の喪失が復旧作業を困難にする一因となるなどシビアアクシデントの進展防止を阻害する要因となった。また,外部電源を含む何らかの交流電源を利用することができた女川発電所,第二発電所及び東海第二発電所では,地震後の津波による被害を受けてもシビアアクシデントに至ることなく冷温停止に移行する等の緊急時対応を実施できたことに留意する必要がある」と述べて,シビアアクシデントのリスク低減及び事故後の復旧作業容易化のため,外部電源の信頼性向上,変電所設備の耐震性向上,開所設備の耐震性向上などの必要性を確認している(同11~15頁)。
原子力安全委員会,原子力安全・保安院の,このような認識からすれば,当然に,新規制基準においても外部電源の信頼性向上,具体的には重要度分類や耐震重要度分類の分類引上げが実施されるべきことは明らかである。
したがって,「原子力規制委員会が,事故発生時には外部電源系による電力供給は期待すべきでないとし,Sクラスに分類しないことを合理的としている」こと自体が不相当である。

(2)非常用電源設備の耐震重要度をSクラスとする対処では足りないこと(非常用電源設備の機能確保対策の不十分さ)
ア 新規制基準は,「非常用電源設備及びその附属設備は,多重性又は多様性及び独立性を確保し,設備の機能を確保するための十分な容量を有すること(外部電源が喪失したと仮定して7日間)」を規定している(設置許可基準規則33条7項,規則解釈33条7項)。
イ しかし,そもそも,非常用電源設備は,これまでに多数の故障を起こしていて,外部電源が機能しない場合に必ず非常用電源が機能するといえるほどの信頼性はない 。
ウ また,これらの非常用電源設備に関する上記基準は,基準を満たす具体的な内容(「どのような事態を想定し,どのような設備が必要となるのか」)が制定されていないので,現実の設備が安全確保のために十分か否か判断する基準となっていない。
つまり,設置許可基準規則33条7項や同条の解釈には,単に「非常用電源設備の多様性」としか規定されておらず,それ以上に,具体的に非常用電源が必要とされる「どのような事態」を想定しているのか,「それに対応する多様性とは何か」という具体的な要求内容を読みとることができないのである。また,事故等の対応に「必要な設備として何を想定しているのか」も不明である。
このように,上記基準からは,非常用交流電源が必要となる具体的な事態が想定されていないため,現実の事故発生時に,非常用電源に要求される具体的性能などの詳細を算定することが不可能であり,そもそも,必要な対策を立てることができないのである。

(3)原子力規制委員会による外部電源系の耐震重要度についての見解の誤り
ア 被告中部電力は,「原子力規制委員会は,『長大な電線路や経由する変電所全てについて高い信頼性を確保することは不可能・・・原子力発電所側からは管理できず,さらには発電所外の電線路等は発電用原子炉施設の設備ではないことから,事故発生時は,外部電源系による電力供給は期待すべきではない』とし,その耐震重要度をSクラスに分類しないのは合理的である」と述べている。
イ しかし,規制委員会の考え方は,深層防護の考え方に反するし,炉心損傷頻度(CDF) への外部電源の喪失事象の寄与度の高さを無視しているという二つの点で誤っている。
(ア)まず,一点目として新規制基準は,原発からの放射性物質の放出を防ぎ,もって国民の生命・健康の保護を図るために,有効な複数の対策を用意し,かつ,それぞれの層の対策を考えるとき,他の層での対策に期待しないという深層防護の考え方を踏まえて策定されたはずである。いみじくも原子力安全委員会と原子力・安全保安院が指摘しているとおり,外部電源からの電力供給という交流電源供給手段の信頼性が向上すれば,その分だけ電源確保対策の厚みが増すことになり,それ以外の非常用交流電源対策や直流電源対策の整備と相俟って,電源確保対策が多層化し,電源確保対策全体の信頼性が大きく向上することは明らかである。
(イ)また,二点目として,NRCは,炉心損傷頻度(CDF)の73%あるいは約90%が,外部電源の喪失によって発生する旨の試算を公表している 。このことからすれば,外部電源の信頼性強化を図ることが,炉心損傷対策として極めて重要かつ有効な対策であることは明らかである。そうであるにもかかわらず外部電源の信頼性強化を行わないというなら,せめてこれを行わなくても安全目標を十分達成できることが客観的に示されるべきである。
ウ なお,実質的理由についても,長大な電線路すべてに高い信頼性を確保することは一定のコストをかければ十分可能であろう。また,電力系統の問題に関しても,日本原子力発電株式会社を除く原発事業者が地域の送電・配電網等の電力系統を管理している我が国の実情に照らせば,原発事業者が全体として対応すれば十分可能なはずである。しかし,新規制基準策定に向けた議論状況の中で,規制委員会が,電線路と電力系統に関する抜本的な信頼性向上対策にどの程度のコストを要するのか検討した形跡はない。

(4) 外部電源系の安全重要度をクラス1としないことの誤り
ア 前提
新規制基準は,非常用ディーゼル発電機による電力供給機能をMS-1(クラス1)に分類して高度な信頼性を要求するのに対し,外部電源系の供給機能については,開閉所等の発電所内の設備はPS-3(クラス3)とし,発電所外の設備(電線等)は重要度分類の対象外としている。
イ 福島原発事故の経験からは外部電源の信頼性確保は必要不可欠なこと
しかしながら,福島第一原発事故では,地震により原発施設の外にある鉄塔が倒れるなどして,まず外部電源を喪失し,地震発生から約50分後に来襲した津波によって,多くの非常用ディーゼル発電機等の機能を喪失し ,その結果,全電源が喪失して大事故に至ったと考えられる 。一方で,福島第二原発では,福島第一原発と同様,津波による浸水で原発施設内の非常用ディーゼル発電機等が機能を喪失したものの,たまたま外部電源が1回線のみ生き残っていたため全交流電源喪失を免れ,大事故に発展することなく冷温停止に至った 。
 そのような福島第一・第二原発事故の経験からは,原子力発電所において,施設構内の非常用電源設備ばかりでなく施設内外の外部電源系設備も安全性確保のためには極めて重要であると言え,施設内の非常用電源さえ機能すれば問題ないという安易な考え方を排し,いずれにおいても万全の備えを要求することが,原子力安全の基本である深層防護の考え方に沿うものであると言える。
ウ 新規制基準の分類が災害時の安全性確保の見地から受け入れがたいこと
新規制基準が外部電源の電力供給機能について高度な信頼性を求めていないことは,福島原発事故の教訓を無視するものである。
そのような分類では,地震などの災害時には,外部電源の供給機能が容易に失われてしまい,非常用内部電源の供給機能に頼らざるを得なくなり,初めからいわば“背水の陣”での対応を余儀なくされ,深層防護の考え方と相容れない結果となる。そして,福島第一原発事故の時のように,仮に非常用電源の供給機能まで喪失すると,原子力施設の冷却設備が機能しなくなり,再び大事故が発生して多くの国民の生命身体を危険にさらすことにもなりかねない。
 そのような新規制基準の分類が災害時の安全性確保の見地から受け入れがたいことは明らかである。

2 所内常設直流電源設備の要求における猶予期間について
(1)直流電源設備完備までの5年間の危険
ア 設置許可基準規則57条2項及びその解釈では,「前項の電源が喪失した場合に備えて所内常設直流電源設備(3系統目)を設けること」と規定しておきながら,現在の規制委員会は,「更なる信頼性向上」のためであるので,その設置を新規制基準の施行日から5年間猶予するものとしていた。
イ この3系統目は,必要な電源の多重性として議論され,要求事項にされたものである。それにもかかわらず5年間の猶予を認めることは,それが出来るまでは,その電気系統分の安全性が不足していることを認めるということである。被告中部電力が,準備書面(10)で述べるように,「猶予期間を設けることは,多くの規制行政において採用されている手法である」といくら主張したところで,この5年間の安全性不足を覆せる反論とはなり得ない。
ウ さらにその後,規制委員会は,5年間の猶予の始期を,「新規制基準の施行日」から,審査に時間がかかることを理由にして「工事計画認可審査が通ってから5年」と変更した 。規制委員会は,直流電源喪失を防ぐためにはさらなる追加設備が必要であることを認識しながら原子力事業者の状況を慮って再稼動の要件とはせず,ただでさえ緩い基準をさらに緩めたのである。
設置許可基準規則57条2項及びその解釈の所内常設直流電源設備(3系統目)の設置について猶予を設ける原子力規制委員会の前記変更は,不合理なものというほかなく,かかる運用に基づく適合性審査には過誤,欠落があるから,これによる設置変更許可処分は,設置許可基準規則57条2項に反し違法である。
そして,福島第一原発事故と同様,多くの電源設備が同時に失われる状況になった場合,バックアップの直流電源がないため,やはり全電源喪失になってしまい,短時間のうちに炉心損傷に至るおそれがある。

(2)可搬型の直流電源設備の整備の問題点
ア 可搬設備に過度に依存すべきではない
被告中部電力は,可搬型の直流電源設備の整備が求められていることをもって,「事故防止対策に係る非常用電源がすべて機能喪失した場合に備え,炉心の著しい損傷や格納容器の破損を防止するために必要な電力を確保すること」が求められていると主張する。
しかし,重大事故発生時に可搬式電源設備を利用するには,それが利用できるまでに「移動」という作業ステップが必要で,移動のためには人手,道路,安全な作業環境が揃っている必要があり,タイムロスも生じる。一方で,常設(恒設)電源設備は,少ない対応要員で設備の動作が可能で,事故後短時間で投入可能であるから,事象進展が早い場合には可搬式設備よりも優れている 。
本来は,重大事故等対処施設として,中央制御室等の安全な場所からスイッチを入れるだけで始動できる信頼性が高い常設電源設備の設置を義務付け,補助的に可搬式設備の整備を求めるべきなのであるから,新規制基準は制度設計自体を誤っている。
イ 人的対応に依存すべきではない
また,生身の人間が可搬設備を操作して重大事故対応を迫られるということの過酷さや不確実性を考慮すれば,可搬設備に頼った新規制基準が不合理であることは明白である 。
特に大規模な自然現象との複合災害時には,福島第一原発事故の際にもみられたように,爆発,激しい余震,放射線量の上昇等により,物理的に現場に接近することや,作業の完遂までの必要時間にわたって現場に滞在できない場合もあり得る。また,異常事象の影響下にあっては,建物の倒壊・爆発などによる対応要員の負傷,激しい余震などが対応要員に恐怖感を与える。所外からの支援も滞り,孤立無援に陥る可能性があり,飲食物の困窮,冷暖房の停止,医療支援の欠乏,家族の安否確認もできないといった様々な要素が,対応要員の精神的面に追い打ちをかける。
さらに,人的対応の場合には,タイムロスが生じることも考慮する必要がある。作業に先立ち,対応要員の集合を待ち,対応内容と状況によっては過酷な環境下での作業となることから参加するメンバーの意思確認も必要となり,その後,作業手順の確認を行って必要な防護具の点検と装着を完了する必要があるから,それだけでかなりの時間を失うことになる。設計段階の想定を超えて状況が悪化し続けている重大事故が発生下で,このようなタイムロスが生じてしまうことは,人的対応の深刻な問題点である。
新規制基準では,テロが発生した場合も想定されているが,施設がテロリストの支配下に置かれた場合や大型航空機の意図的な衝突により大規模な火災が発生した場合は,より一層,人的対応が困難になることも考えられる。
以上

11:13 裁判長;工事の進捗状況はどうか。

中部電力;4号機の安全性対策工事について。7月以降では、津波対策に関して御前崎市の点検を受けた。3号機、5号機の追加なし。原子力規制委員会の審査は、7月以降の審査を受けていて、3回目の審査を受けている。

11:14 裁判長;これからの主張はどうか。

阿部弁護士;これまでの補充をしたい。
被告;次回までに反論をする。
裁判長;準備をよろしく。4月16日までに書面の提出を。次回は2018年4月23日(月)11:00~1号法廷で。        11:16 終了

11:25 地域情報センターで報告集会
司会・落合勝二;司会の落合です。鈴木航さんの裁判が同じ裁判官で今日の午後行われるので、遅くとも12時半には終わりたいと思います。最初に口頭弁論の流れについて、阿部弁護士からお願いします。

阿部弁護士;今日は中電から準備書面3通と大量の証拠書類が提出された。準備書面の一つ、5号機に関するもの。3.11の時、海水が流入した。潮による機器の損傷に対する反論。二つ、地震動に関するもの。地震についてこれまでの地震動を分析して、耐えられるか。三つ、サプレッション・チェンバや燃料プールは耐震性も十分だとの反論。
 原告からは、電源設備での耐震性についての主張が不足しているので補充した。  
 最後に、裁判長から工事の進捗と適合審査の報告を求め、中電が簡単に報告した。裁判所としては、工事と規制委員会の審査を見ながら、裁判の進行の判断していくために聞いたと思う。
 次回、原告は、いろんな点で補充したいと言った。中電もいろいろと反論を出してくるようだ。

11:30 栗田弁護士;準備書面(23)について触れた(この内容は口頭弁論のところで準備書面の紹介をしているので割愛)。

11:35 阿部弁護士;中電の準備書面の中身を紹介したかったが、直前に出されて、まだ読み込めていないので、次回に説明したい。

司会・落合;何か意見・質問があればどうぞ。私からの質問。たくさんの段ボール6~7個あったが、あれは何でしょうか。

大橋弁護士;あれと同じものが私の事務所にも届いた。規制委員会への安全審査の工事計画の書類が乙号証として出された。今頃出す必要もないと思うが、弁護団・原告団会議でどうするか、検討したい。

司会;事務局からの連絡。中電の準備書面(11)~(13)を30部用意したが、難しい内容も入っているので、まず見てほしい。今日の裁判の中で、電源設備についての主張をしたが、何か質問はありますか。

大橋弁護士;林先生から一言を。

11:39 林氏;今日は、非常に重要な電源のことでの主張をしてもらった。実は、チェルノブイリの時も非常用電源が立ちあがらず。どこの原発でもその危険性がある。外の設備というのではなく、一体として考える必要がある。
 昨日一昨日と、名古屋の中京大学で、第37回の日本科学者会議「がん発と裁判」というタイトルでの原発のシンポジウムがあった。今回初めて裁判のことを取り上げた。井戸謙一氏、藤川誠二両弁護士から全国の裁判の動向、名古屋の40年以上の原発の裁判の報告、会場には、「原発を止めた裁判官」ということで、元裁判官の井戸謙一氏の書籍も紹介された。
 弁護士の訴状の浜岡原発事故訴訟の点について補充したい。浜岡原発では世界的にもない事故が起こっている。例えば、圧力ノズルで網目状の亀裂ができて、作業員の人海戦術で内側のステンレスの削り取る作業をしている。
 福島第一、島根原発にも同じことが起きる。最近の中電との交渉の中で、中電はそんなことはなかったと言う。90くらいの事故の履歴あり。
弁護士から訴状をもらっているが、先日の会議のあと、役員の人とも話をしたが、原告ももっと勉強すべき。これから原告も勉強する場を作っていきたい。

11:45 司会;参加者の質問・意見はどうですか。

参加者;栗田弁護士からの話があったのですが、実は聞き取りにくかった。法廷でも、傍聴には高齢の人も多い。マイクがあるのに使われていない。傍聴者に聞こえない。裁判長の話もよく分からない。開かれた裁判ということで、傍聴者に聞こえるように、弁護士からもこれでいいのかと言ってもらいたい。

栗田弁護士;私の声量の問題もある。

司会;以前に裁判長の声を聞こえなくて、「もっと大きい声で言ってほしい」と指摘すると、「退廷」と言われた。本当に聞こえない。音響も悪いのか、弁護士の方からよろしくお願いします。他に何か。

11:47 阿部弁護士;浜岡原発の裁判は、東京高裁、静岡本庁裁判と浜松支部含めて3つの裁判。弁護団の話では、東京高裁の裁判は、3・11があって、そのあと新規制基準が出てきて、浜松支部と同じような議論がやられている。当初は一番早く判決が出るのではと、証人尋問の予定まで入っていたが、それが取りやめになり、あまり進んでいない。本庁裁判は、論点整理、原告の主張、被告の反論はほぼ終わった。次回、各論点についてどのような立証するが、どういう証人にするかについての議論になるかというように聞いている。本庁裁判の方が少し進んでいる。

11:50 司会;浜松の裁判もなかなか進まず。原告も追加の主張、中電も追加の主張、まだまだ続く。多少感じたこと、ましになったかなと思ったことは、中電が書面のことをしゃべったことは、いままでになかったことだ。

大橋弁護士;その通り。中電は自信があるならしっかり言うべきと言ってきたが、やっとそうなり始めた。原告ももっと反論していかないといけない。傍聴も大切。原告はいま716名の到達。これは画期的なことだ。あと1000名まで。裁判にも大きな影響がある。静岡で10月11日の福島生業訴訟判決の学習をした。3・11の事故を無視した判決はできない。2002年に内閣府の調査も出ていたのに、何もしなかったとはっきり言っている。国も命令責任ありと、賠償額は少なかったが、国を断罪している。原告がきちんと主張をし、裁判所もそれを受け止めた。あと1000名まで頑張ろう。

11:55 阿部弁護士;関連で、損害賠償のこと。東電の幹部の刑事責任の裁判が始まっている。津波の予測ができたかどうかがポイントになる。民事と同じような争点になる。15mの津波を防げたか。対策工事の話が東電の中で出ていたのに、握りつぶしたことが検察庁の押収した資料の中にあった。この裁判にも注目してほしい。

佐野弁護士;生業訴訟のこと。静岡でおとといの土曜日に、原告団長の学習会をした。次回、都合つけば浜松にも来てもらうかもしれない。

林氏;裁判のことではないが、11月12日でしたか、浜岡原発の周辺の現地調査をした。塩坂さんが説明した。浜岡原発にH断層5本、海岸線に並行している。原子炉建屋、タービン建屋の間を走っている。いまH断層よりも、A-17,A-18,というH断層に垂直な断層が問題になっている。規制委員会でも問題になっている。背斜構造のひび割れがA-17,A-18で起こっている。規制委員会で問題になり、現地調査が行われている。もう一つ、タービン建屋、原子炉建屋の間に配管が配置されている。どのくらいの余裕があるのかと聞いたら、中電は10cmというが、地震の時、もっとずれる心配がある。

12:00 司会;今日のことで感じたことを言わせてもらう。中電が安全性向上の工事をしている。7月以降、津波による「いっすい防止の工事」をしている。何のことか分からないが、私の理解では、取水槽の高さと取水口の高さは同じ。津波が来ると、その高さが上がるので、4mの壁のかさあげ工事したので、もれないと中電は言う。原告が指摘したことを中電は最初は関係がないと言いつつ、対応した工事をしている。どう考えるといいか。

大橋弁護士;だけど実践しないと。福島でも東電も検討したが握りつぶした。やったからすべて安全かと言うと、そうではないが、言っていく必要はある。何かやらないと刑事責任になる。

林氏;中電は津波8mと考えている。朝倉の経験式ではその3倍を考えなさいと。それでいくと、1mあたり288トンの圧力が防潮堤にかかる。福島では、最初30mあった敷地の高さを20mカットした。10mの敷地高。15mの津波であの事故だった。

司会;追加の主張をしていくことなので、いろんな意見を出していくことになるだろう。津波のことでは、8mではなく、沖合10kmのところで基準津波が6.1mという設定をしているということだと思う。 
 そのほかに何かありますか。

参加者;全国の裁判の状況はどうか。

阿部弁護士;大飯・高浜の高裁判決が出る予定。仮処分は勝ったが、あとは負けている。

塩沢弁護士;全国のことをまとめて原告に伝えていく必要がある。

大橋弁護士;北村弁護士が今日は来ていないので、詳しくは分からないが、やはり国民・市民の声を大きくしていくことが大切だ。

司会;そろそろ終わりにしたい。次回の第23回口頭弁論は、4月23日(月)11:00から第一法廷で。
今日はギリギリに来られる方があり、幸い空があり、入ることができましたが、10時30分までに来て、抽選があるので、並んでほしい。
ブログがなかなか開かけないという声を聞くので、説明をしてほしい。

長坂;これまで担当の中谷さんが倒れて、これまでのブログはそのままにしてほしいと言うことだったので、新たなブログを立ち上げた。案内している名前で検索すると、必ずたどり着けるので、やってみてほしい。これまでの記録は、リンクしているので、それも見ることができる。

大橋弁護士;1月23日に原告・弁護団会議を行う。

司会;これで終わる。             12:10終了 (文責;長坂)
 








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